2016年佐世保市の入札データから入札で勝つために必要なヒストグラム(分布)を作りましたが、道路工事も電気工事もごちゃまぜにしたデータなので実用的じゃありません。確率計算の細かな話もありません。ただ入札にベイズ推定等のちょっと深い確率の話が必要だって話は伝わわればと思います。
佐世保市の入札情報公開サービスの「落札済み」データから第一回の入札データを抜き出して利用しました。(2回目入札を無視)
佐世保市入札情報⇒ http://www.ppi02.t-elbs.jp/DENCHO/PpiJGyomuStart.do?kinouid=GP5000_Top
佐世保市の入札制度を例に紹介します。このゲームで重要なのは「最低落札価格」入札は基本一番安い人が仕事をGETできますが、最低落札価格を下回ると「ドボン」です。最低落札価格は入札資料から正確に見積を行う事で計算できます。なので正しい設計ができる企業同士では勝負になりません。そこでランダム係数が活躍します。算出された最低か価格を1として、1.005までの間で最低落札価格が変動します。
最低入札価格を決めるランダム係数の統計(ヒストグラム)をとってみました。1~1.005の間でほぼ等しい頻度でおきています。「ランダム」にも色々あって、これは一様分布。それ以外の分布でもよいですがエクセル等で簡単に計算できるのはこの一様分布です。

「これは平等やね、どこかけても一緒」・・・・と思います?ほんとに思う?
以下の図は、みんなが入札した所を最低落札価格を1として表示したものです。真ん中が1なので真ん中の赤い線より左はランダム係数に頼ることなくドボンです。見積精度がひくいやつです。
理論上、勝負は真ん中より右で行われます。見積精度が高いやつが1人でもいれば右側の赤い線(1.0005)よりも右も話になりません。
赤い線の中、すなわち真のライバルは平均1.3人です。
と書くと<「ざっくり敵は1人いるかどうかだな」と思うかもしれないですが、一つの入札で4人いるときもあります。分野に強く依存します。
上のヒストグラムで平均をだすと1.0013です、なので皆がかけている1.0013にかけたくなる人は典型的な確率が全く分からない人です。ライバルが1.0013にかけた1人だけだとして話をしましょう。
同じ値付近にかけると、勝負は五分五分でしょう。さらに、ここは小さいほうから26%の地点なので、ドボンにならずに有効に効く確率は26%です。26%の五分五分で13%しか勝てません。
一方1.0005にかけた場合、ライバルがドボンしてくれれば自分の勝ちです。すなわち74%の確率で勝てます。13%と74%と・・・5.7倍ちがうねんで。(ただし、ランダム係数に納めるライバルが一人で、1.0013にしかかけない場合、)
もう一度以下の図をよく見て下さい。

勝てる条件は、最低落札価格と自分の間に「ライバル」がいないこと。
計算としては、「ある入札価格を選んだとき」に「最低落札価格価格が自分より低い確率」。「自分の価格と最低落札価格がある値」であるときに、「間に誰かが1 or 2 or ... 人はいる確率」というものを求めます。
それぞれの「」にある項目はわりと簡単に求まります。例えば間に1人はいる確率はヒストグラムから値をひろって、今回の参加人数とともに計算すると見積もれます。(このへんの確率までは高校でも習ううかな?)
しかし、個々の情報は直接的には何も言って無くて、知りたい情報は「ある価格で入札したときにに、落札できる確率」です。上にあるのは「xxしたときに、どうだった」という条件つきの確率です。たとえば上では1人or2人or... と条件が複数あります。落札価格がxxの時にという条件付確率についても無限の選択肢があります。そういう間接的な色んな条件を全部考慮するテクニックを確率の分野では「周辺化」等と言っています。
そういう個別のテクニックの紹介はしませんが、こういう事が説明されている本のタイトルには<「確率」や「ベイズ推定」
という単語がついていて最初のページには解りやすく「条件付確率」の話が書いてあるはずです。その説明が解りにくかったら、その本は貴方にとって駄本です。そして索引には「分布推定」や「周辺化」などのテクニックが書いてある事でしょう。
社長が本をよんで頑張ればばいいのですが、老眼、つらいですよね。
数学が必要なら理系人材か〜ただでさえ少ないのに?と思っているしゃっちょーさん。朗報です。
経済学部でもやる問題です。真面目に学校に通ったかは「ベイズの定理」「周辺化」などを説明させてキョドらなければ大丈夫なんじゃないんでしょうか?ちなみに経済系のひとは「入札」というよりも「オークション」の理論として学ぶらしいです(私は知らない。)
ここで入札を例に説明しましたが、血液分析の結果からその人が癌にかかっているかどうかを判断する、へたすれば「人工知能」の一言で片付けられてしまうコンピュータによる信号処理にも、入札と同じようなテクニックが使われています。入札だと金額というエクセルの1マスでかける単純なデータな上に、数百件なので、あまり人工知能感ないですが、世間がもてはやしているものの複雑で、大きくなってるだけで殆ど同じ理論ってのは面白いですよね。
ちなみにみんながベイズ推定を使うとがベイズ推定を使うと、そもそも入札の分布が変わってきます。それはどうなの?という話はありますが、乱数が有る限り、いたちごっこで見積力と数学力がある企業同士は平等に戦えるはずです。数学のできないしゃっちょーさんをいたわりたいなら、レンジ内に入ったら抽選って事にすればいいのですが、それはつまらないですよね。やっぱり、勝負事は複数の実力要素がなくちゃね。