風に備える計算

デカイ屋外インスタレーションの最大の敵は風ですね。事故恐い。最大風速がわかれば計算で作品にかかる荷重はわかる。じゃぁ、その風速は?ということで、風速の読み方メモ。

過去の風速の解析から

気象庁は地上高10mでの風速を測定しています。でかい作品の代表値としてはそれでOKでしょう。気象庁のサイトにいくと過去の風速(10分単位)が見れます。作品管理の面では瞬間でどれだけの風が吹くのかを気にするので、10分風速を見てみましょう。

平均と瞬間最大があります。瞬間とは3秒間ごとに平均値をだして、10分間詰まり10*60/3=200サンプルのうちの最大です。平均風速はその200サンプルの平均値です。この最大瞬間(GUST)と平均風速の比(ガストファクター)は地形によって大雑把に決まるとされていて、普段から風が強いような開けた場所で1.5~2、市街地で2~3と言われています。以下は大阪の4~10月のgust factorです。ちなみに万博のために計算してました。

まぁ、おおよそ2ぐらいやね。というのが分かります。市販の風速計を買ってくると10分ごとの平均風速と瞬間最大風速(GUST)が出ます。作品が風速20mまでしか耐えないと分かっている時に現地のガストファクターが2だとしますやん。ならば平均風速が10mになったら例え瞬間最大風速が20mに達してなくても作品を撤収しなきゃいけないという事がわかります。

天気予報との関連

天気予報の風速は1時間毎にでてるけど、10分平均風速の期待値が出ています。なので概ねは同じように予報風速にガストファクターかけて危険域に達してたら対処をする必要があります。

その耐風性能妥当か?

風速20mに耐えますっていうのが、そもそも妥当か?話が安全面とは別にあります。想像を超える風がふいても作品が安全に壊れるのは大前提として、風が強いから今日は作品を外に出さないといった判断が何日ぐらい起きるのかって話ですね。ビジネスライクな話です。

気象庁に一日毎の最大風速(10分風速)、瞬間最大風速(3秒風速)があるので、基準を超える日を単純に数えあげました。200日の会期があるとして、10日ぐらいは作品出せなくてもしょうがないか。という風にすると95%なので、作品は最低でも14m/sの風には耐えて欲しい。実際にはそこにマージンをとって20m/sぐらいやな。という計算をしていました。